Blister Glucovance

ブランド:

Glucored

製造元:

Sun Pharmaceutical Industries Ltd.

グルコバンス (Glucovance)

グルコバンスは2型糖尿病の治療薬です。メトホルミンとグリベンクラミドという2つの有効成分を含有する配合剤で、異なる作用機序で血糖値を強力に下げます。食事療法や運動療法、または単剤の経口薬だけでは血糖コントロールが不十分な場合に用いられます。2つの成分が相乗的に働くことで、より優れた血糖降下作用が期待できます。ご使用の際は、必ず医師の指示に従ってください。
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二型糖尿病治療のための複合経口血糖降下薬グルコバンス グリベンクラミドとメトホルミンの薬理作用と医療現場での適用

グルコバンスは、2型糖尿病の治療において重要な役割を果たす複合型経口血糖降下薬です。この薬剤は、体内の血糖値を効果的に管理するために設計されており、日本をはじめとする世界中で多くの患者さんの健康維持に貢献しています。グルコバンスは、異なる作用機序を持つ二つの有効成分、塩酸メトホルミングリベンクラミドを組み合わせることで、単剤療法では不十分な血糖コントロールの改善を目指します。

2型糖尿病は、インスリンの作用不足やインスリン分泌の低下によって引き起こされる慢性疾患であり、適切な管理が行われないと、心血管疾患、腎症、網膜症、神経障害などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。グルコバンスのような複合薬は、食事療法と運動療法に加えて、多角的なアプローチで血糖値を目標範囲内に維持することを可能にし、患者さんの生活の質の向上と長期的な健康の維持をサポートします。

グルコバンスとは:二つの有効成分の相乗効果

グルコバンスは、糖尿病治療において長年の実績を持つ二つの主要な薬剤クラスを統合した画期的な治療薬です。その核心には、塩酸メトホルミングリベンクラミドという二つの強力な有効成分があります。これらの成分がそれぞれ異なるメカニズムで血糖値に作用することで、単独では得られない強力かつ持続的な血糖降下作用を発揮します。

塩酸メトホルミン:インスリン抵抗性の改善と糖産生抑制

塩酸メトホルミンは、ビグアナイド系に属する経口血糖降下薬であり、その作用は主に以下の点に集約されます。

  • 肝臓からの糖産生抑制:メトホルミンは、肝臓での糖新生(グルコースが非糖質前駆体から合成されるプロセス)を抑制し、肝臓から血液中に放出される糖の量を減少させます。これは、糖尿病患者においてしばしば見られる肝臓からの過剰な糖放出を効果的に抑えることで、特に空腹時血糖値の改善に貢献します。
  • 末梢組織におけるインスリン感受性の改善:筋肉や脂肪組織などの末梢組織におけるインスリン感受性を高めます。これにより、体内の細胞がインスリンに対してより敏感に反応し、血液中のグルコースをより効率的に細胞内に取り込むことができるようになります。結果として、インスリンの有効利用が促進され、血糖値が低下します。
  • 腸管からのグルコース吸収抑制:腸管からのグルコース吸収をわずかに遅らせる作用も持っていると考えられています。これにより、食後の急激な血糖値上昇を穏やかにする効果も期待できます。

塩酸メトホルミンは、体重増加のリスクが比較的低く、インスリン分泌を直接刺激しないため、低血糖のリスクが比較的低いという特徴があります。これは、過剰なインスリン分泌による低血糖を避けたい患者さんにとって大きな利点となります。

グリベンクラミド:インスリン分泌の促進

一方、グリベンクラミドは、スルホニル尿素(SU)薬に属する経口血糖降下薬です。その主な作用は以下の通りです。

  • 膵臓からのインスリン分泌促進:グリベンクラミドは、膵臓のβ細胞にあるスルホニル尿素受容体(SUR1)に結合し、ATP依存性カリウムチャネルを閉鎖します。これによりβ細胞の膜が脱分極し、カルシウムチャネルが開いて細胞内にカルシウムイオンが流入します。このカルシウムイオンの流入が引き金となり、膵臓からのインスリン分泌が促進されます。結果として、食後だけでなく空腹時にもインスリンレベルが上昇し、血糖値が低下します。

グリベンクラミドは強力なインスリン分泌促進作用を持つため、早期から血糖降下効果を期待できますが、その性質上、低血糖のリスクが比較的高いことが知られています。そのため、適切な用量の設定と食事のタイミングが非常に重要となります。

二つの成分の相乗作用

グルコバンスは、これら二つの異なるメカニズムを持つ薬剤を組み合わせることで、2型糖尿病の病態生理学的要因に多角的にアプローチします。塩酸メトホルミンが主に肝臓の糖産生を抑制し、インスリン抵抗性を改善する一方で、グリベンクラミドが膵臓からのインスリン分泌を促進します。この相乗効果により、単剤療法では達成が困難なより厳格な血糖コントロールが可能となり、食前・食後の両方の血糖値を効率的に管理することができます。また、複数の薬を服用する手間を省き、服薬アドヒアランスの向上にも寄与します。

グルコバンスの主な適応とメリット

グルコバンスは、2型糖尿病の治療薬として、特に以下のような患者さんに適応されます。

  • 食事療法、運動療法だけでは血糖コントロールが不十分な場合。
  • 塩酸メトホルミン単独療法やグリベンクラミド単独療法で十分な効果が得られない場合。
  • インスリン抵抗性とインスリン分泌能の低下の両方が関与する2型糖尿病の患者さん。

この複合薬の主なメリットは以下の通りです。

  • 包括的な血糖管理塩酸メトホルミンの肝臓からの糖産生抑制作用とインスリン感受性改善作用、そしてグリベンクラミドのインスリン分泌促進作用により、空腹時血糖値と食後血糖値の両方を効果的に改善します。これにより、HbA1c値の目標達成に貢献し、長期的な糖尿病合併症のリスクを低減する可能性が高まります。
  • 服薬の簡便さ:二つの有効成分が1錠に配合されているため、患者さんは複数の薬を服用する手間が省けます。これにより、服薬忘れが減り、治療の継続性が向上しやすくなります。
  • より強力な血糖降下作用:それぞれの成分が異なるメカニズムで作用するため、単剤療法よりも強力な血糖降下作用が期待できます。これは、より厳格な血糖コントロールが必要な患者さんにとって特に重要です。
  • 個別の治療計画への統合グルコバンスは、患者さんの個々の病態や治療目標に合わせて、食事療法、運動療法、他の糖尿病治療薬(必要に応じて)と組み合わせて使用されることで、最適な治療計画の一部となります。

日本における2型糖尿病の治療ガイドラインでは、患者さんの病態や併存疾患、合併症の状態に応じて薬剤選択が行われます。グルコバンスは、その優れた血糖降下作用と利便性から、適切な患者群において重要な治療選択肢の一つとなっています。

投与方法と注意点

グルコバンスの投与は、医師の指示に厳密に従って行う必要があります。一般的に、食事療法、運動療法に加えて服用が開始され、患者さんの血糖値、腎機能、肝機能、他の併用薬などを考慮して、個別の用量が決定されます。

通常、グルコバンスは食直前または食中に服用することが推奨されます。これは、グリベンクラミドのインスリン分泌促進作用が食後の血糖上昇に対応し、また、塩酸メトホルミンによる消化器系の副作用(吐き気、下痢など)を軽減するためです。飲み忘れに気づいた場合でも、次の服用時間に近づいている場合は、忘れた分を飛ばして次の服用時から通常通り服用し、決して2回分を一度に服用しないようにしてください。

注意すべき副作用

グルコバンスは有効な治療薬ですが、いくつかの副作用に注意が必要です。主な副作用として、以下の点が挙げられます。

  • 低血糖グリベンクラミドの作用により、インスリンが過剰に分泌され、血糖値が正常値を下回ることがあります。特に、食事を抜いた場合、運動量が多かった場合、他の血糖降下薬と併用した場合、アルコールを摂取した場合などに発生しやすくなります。低血糖の症状(冷や汗、動悸、ふるえ、倦怠感、強い空腹感など)が現れた場合は、すぐにブドウ糖や砂糖を含む飲食物(ジュース、飴など)を摂取し、安静にしてください。
  • 消化器症状塩酸メトホルミンの一般的な副作用として、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振などが報告されています。これらの症状は、服用開始時によく見られますが、通常は時間の経過とともに軽減するか、用量を調整することで管理できます。
  • 乳酸アシドーシス:非常にまれですが、重篤な副作用として乳酸アシドーシスが挙げられます。これは、体内に乳酸が異常に蓄積する状態であり、塩酸メトホルミンの服用中に発生する可能性があります。特に、腎機能障害、肝機能障害、心不全、重度の感染症、脱水状態、アルコール多量摂取など、特定の条件下でリスクが高まります。初期症状(強い倦怠感、呼吸困難、筋肉痛、嘔吐、腹痛など)に気づいた場合は、直ちに医師の診察を受けてください。
  • 肝機能障害、腎機能障害:定期的な血液検査による肝機能および腎機能のモニタリングが重要です。
  • ビタミンB12欠乏塩酸メトホルミンの長期服用により、ビタミンB12の吸収が阻害されることがあります。必要に応じてビタミンB12の補充が検討されます。

併用禁忌薬と相互作用

グルコバンスを服用する際は、他の薬剤との相互作用にも注意が必要です。特に、以下の薬剤との併用には注意が必要です。

  • 他の糖尿病治療薬:インスリンや他の経口血糖降下薬との併用により、低血糖のリスクが増加する可能性があります。
  • アルコール:アルコールは血糖値を不安定にし、塩酸メトホルミンによる乳酸アシドーシスのリスクを高める可能性があります。服用中の過度のアルコール摂取は避けるべきです。
  • 造影剤:ヨード造影剤を用いた検査を受ける際には、腎機能への影響を考慮し、一時的にグルコバンスの服用を中止する必要があります。必ず事前に医師に相談してください。
  • ステロイド、サイアザイド系利尿薬、甲状腺ホルモン薬:これらの薬剤は血糖値を上昇させる可能性があり、グルコバンスの効果を減弱させることがあります。
  • 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):腎機能に影響を及ぼし、塩酸メトホルミンの排泄を遅らせることで乳酸アシドーシスのリスクを高める可能性があります。
  • スルホンアミド系薬剤、MAO阻害剤、β-ブロッカー:これらの薬剤は、グリベンクラミドの血糖降下作用を増強し、低血糖のリスクを高める可能性があります。

現在服用中の全ての薬剤(市販薬、サプリメント含む)について、必ず医師または薬剤師に伝えてください。

特定の患者さんへの配慮

  • 高齢者:高齢者は腎機能が低下していることが多く、乳酸アシドーシスや低血糖のリスクが高まる可能性があります。慎重な用量設定と定期的なモニタリングが必要です。
  • 妊婦・授乳婦:妊娠中や授乳中の女性におけるグルコバンスの使用については、安全性が確立されていません。必ず医師と相談し、使用の可否を検討してください。
  • 手術前:手術を受ける際には、一時的にグルコバンスの服用を中止する必要がある場合があります。事前に担当医に相談してください。

これらの注意点を理解し、医師の指示に従って適切に服用することが、グルコバンスを安全かつ効果的に使用するための鍵となります。

グルコバンスの特性一覧

以下に、グルコバンスの主要な特性をまとめました。

項目 詳細
製品名 グルコバンス (Glucovance)
有効成分 塩酸メトホルミングリベンクラミド
剤形 経口錠剤 (例: グルコバンス錠2.5/500、グルコバンス錠5/500など、成分量により異なる)
主要適応症 2型糖尿病(食事療法、運動療法、または単剤療法で血糖コントロールが不十分な場合)
作用機序 塩酸メトホルミン:肝臓からの糖産生抑制、インスリン感受性改善、腸管からの糖吸収抑制。
グリベンクラミド:膵臓からのインスリン分泌促進。
主な効果 空腹時および食後血糖値の改善、HbA1c値の低下
投与経路 経口
通常投与法 医師の指示に従い、食直前または食中に服用
主な副作用 低血糖、消化器症状(吐き気、下痢、腹痛など)、乳酸アシドーシス(まれだが重篤)、肝機能障害、腎機能障害
保管方法 室温保存、直射日光、高温多湿を避ける
特長 異なる作用機序の二成分による包括的な血糖コントロール、服薬の簡便さ、HbA1c改善効果

よくある質問(FAQ)

Q1: グルコバンスはどのような薬ですか?

A1: グルコバンスは、2型糖尿病の治療に用いられる複合型の経口血糖降下薬です。異なる二つの有効成分、塩酸メトホルミン(肝臓からの糖産生を抑え、インスリンの効きを良くする)とグリベンクラミド(膵臓からのインスリン分泌を促す)を1錠に配合しており、相乗効果で血糖値を効果的に下げます。

Q2: グルコバンスの主な効果は何ですか?

A2: グルコバンスは、空腹時の血糖値と食後の血糖値の両方を改善し、HbA1c値を低下させる効果があります。これにより、2型糖尿病の長期的な管理目標達成に貢献し、合併症のリスク低減に役立ちます。二つの成分が協調して作用することで、単独療法よりも強力な血糖降下作用が期待できます。

Q3: どのような人がグルコバンスの服用に適していますか?

A3: 食事療法や運動療法だけでは血糖コントロールが不十分な2型糖尿病の患者さん、または塩酸メトホルミン単独療法やグリベンクラミド単独療法で十分な効果が得られない患者さんが適しています。最終的な適応は、患者さんの病状や他の要因を考慮して医師が判断します。

Q4: 副作用にはどのようなものがありますか?特に注意すべき点は?

A4: 主な副作用としては、低血糖(冷や汗、動悸、ふるえなど)や消化器症状(吐き気、下痢、腹痛など)があります。特に注意が必要なのは、まれですが重篤な乳酸アシドーシスです。強い倦怠感、呼吸困難、筋肉痛、嘔吐、腹痛などの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。また、腎機能や肝機能の低下がある方は、医師に必ず伝えてください。

Q5: 他の薬と一緒に服用できますか?

A5: 他の薬との飲み合わせには注意が必要です。特に、他の糖尿病治療薬、ステロイド、一部の利尿薬、NSAIDs、特定の抗生物質などとの相互作用が報告されています。服用中の全ての薬剤(市販薬、サプリメント含む)について、必ず医師または薬剤師に伝えてください。

Q6: 飲み忘れた場合はどうすればよいですか?

A6: 飲み忘れに気づいた場合は、すぐに服用せずに、次の服用時間に通常通り1回分を服用してください。決して2回分を一度に服用したり、服用間隔を短くしたりしないでください。飲み忘れを繰り返さないよう、服薬習慣を確立することが大切です。

Q7: 服用中に避けるべき食べ物や飲み物はありますか?

A7: 服用中は、過度のアルコール摂取を避けるべきです。アルコールは血糖値を不安定にするだけでなく、塩酸メトホルミンによる乳酸アシドーシスのリスクを高める可能性があります。食事に関しては、医師や栄養士の指導に従い、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。

Q8: グルコバンスを服用し始めてから効果を実感するまでどれくらいかかりますか?

A8: 血糖降下作用は比較的早く現れますが、HbA1c値の改善など、治療効果を実感するまでには数週間から数ヶ月かかる場合があります。これは、HbA1cが過去1〜2ヶ月間の平均血糖値を反映するためです。医師の指示に従い、継続して服用することが重要です。

Q9: 低血糖とは何ですか?対処法は?

A9: 低血糖とは、血糖値が正常範囲よりも低くなる状態を指します。症状には、冷や汗、動悸、ふるえ、倦怠感、強い空腹感、めまいなどがあります。低血糖が疑われる場合は、すぐにブドウ糖(約10g)や砂糖を含む飲食物(ジュース、飴など)を摂取し、安静にしてください。症状が改善しない場合や意識がもうろうとする場合は、速やかに医療機関を受診するか、救急車を呼んでください。

Q10: 長期間服用しても安全ですか?

A10: グルコバンスは、2型糖尿病の長期管理のために設計された薬剤であり、多くの患者さんが長期間にわたって安全に服用しています。しかし、定期的な医師の診察と検査を通じて、腎機能、肝機能、血糖値などをモニタリングし、副作用の有無や効果を評価することが非常に重要です。医師の指示に従い、自己判断で服用を中止しないでください。

グルコバンスは、2型糖尿病の治療において強力な味方となり得る薬剤です。しかし、その効果を最大限に引き出し、安全に服用するためには、医師や薬剤師の指示を厳守し、自身の健康状態について正確に伝えることが不可欠です。日々の血糖管理と生活習慣の改善を継続することで、より健やかな生活を送ることが可能になります。ご自身の治療計画について疑問がある場合は、遠慮なく医療専門家にご相談ください。